1月19日の日経新聞の記事で、イギリスのジョンソン首相が、「コロナ規制緩和重症者増えずマスク着用義務を撤廃する」と発表しましたね。ヨーロッパでも、コロナをインフルエンザなどのように「エンデミック(一定期間で繰り返される流行)」と位置づける動きがみられてきているようです。
世界中で猛威をふるっています流行病ですが、1月21日時点のコロナ死者数は18,479人(NHK発表)一方、2019年度ガンによる死亡者数376,425人(国立がん研究センター発表)2020年度自殺者数は21,081人(厚労省発表)です。不思議ですが、ここまで流行病の医療政策を徹底するなら、なぜ圧倒的に恐るべきガン死亡者数に対して、国と行政を上げて根本的対策をしないのでしょうね?(自殺者数に対しても同じ)
さて本題ですが、私、よしりんこと吉野敏明今回は、自身の経験を踏まえ健康保健制度の根本的な問題点について少し語ってみたいと思います。
私は一般社団法人包括安心サポート研究所という会社の理事もやっています。この会社は皆さんが安心して老後を過ごせるようサポートする会社です。普通の終活をサポートする会社と違うのは、私が医療の専門家であると同時に、歯科医師でもあるからです。
◆介護や健康寿命延伸の経験
私は介護制度が始まる2000年より前、祖母が介護を受けなくなるまで自宅で介護家族で看取るという経験をしています。まだ、ケアマネージャーやデイサービスという言葉ができたばかりで、今のようにしっかりとした制度ではなかったので大変でした。
また、歯科の介護保険による往診制度が認められる前の時代で、歯科医師が寝たきりの方、認知症の方の治療に苦慮した時代の経験もしています。
加えて、私は病床280床ある精神科病院の理事長を務め、高齢のうつ病や統合失調症、そして認知症の患者さんたちを、理事長として、また歯科医師として治療し、経営改善した経験もあります。
この病院では、口腔ケアを実践することで、それまで年に2〜3名は夜勤中に、誤嚥性肺炎で亡くなる方がいたのをゼロにした実績もあります。
また、義歯を装着し、咀嚼(そしゃく)と嚥下※ができるようになり、誤嚥(ごえん)がなくなることで胃ろうを外せたり、食いしばれるようになって全身に力が入るので立って歩けるようになった患者さんを多数出すことができたりしたのです。
※嚥下(えんげ)とは、口の中で咀しゃくした食事を飲みこみやすい大きさに取りまとめ喉の奥へ飲みこみ、食道から胃へ送り込むこと
つまり、歯科医療によって患者さんのクオリティオブライフを上げ、健康寿命を延伸することに成功してきました。保険や年金そして、相続やお墓のことも大事です。しかし、健康寿命を延ばすのは医療保険や生命保険ではありません。健康寿命を延ばすのは正しい医療なのです。
◆超高齢社会の健康保険制度の問題
超超高齢社会では、これまでの常識や現在の国民健康保険制度の治療では駄目なのです。実は、現在の国民健康保険制度下で、糖尿病が増え、50年で50倍も患者が増えました。うつ病が増え、認知症が増え続けています。老人の増加数以上に病気が増えているのです。
それは、現在の日本の保健医療制度は、療養に対する給付が原則であるからです。療養に対する給付とは、わかりやすく言えば、「病気になったら保険を給付します。でも予防はしませんよ。だって保険なのですから、予防は自費で自分でやりなさいよ」という社会制度なのです。
海外では自費治療プラス、民間保険が中心というよりほとんどです。東南アジア中国ですら自費治療です。なぜでしょうか?自費治療ということは、国民は自動車保険のように民間保険会社に加入し、保険料が上がらないように、予防に力を入れるからです。
医師側も治療が再発すると、保険会社からの支払いが下がりますから、再発のしない予防医療に力を入れます。しかし、現在の日本の保険制度は、出来高払い制度ですから、医師や医療機関も、検査をすればするほど、薬を出せば出すほど、病気が治らなければ治らないほど、つまり糖尿病や高血圧症のような慢性病疾患慢性疾患患者が、増えれば増えるほど儲かるのです。
そしてその財源は、皆さんが毎月払っている医療費と税金なので、誰も罪悪感がないのです。ちなみに現在の日本の国全体の医療費はいくらかご存知ですか?
ざっくりと言いますと、日本全体の税収約60兆円に対して国全体の医療費は40兆円を超えています。明らかに異常と思いませんか?超高齢化が、しばらく続く日本において、このままにしておいたらどうなるか?あなたも想像できるでしょう。
しかも、例えば今回のワクチンについて、昨年1兆4,200億円を日本政府は、どこに支払っているのでしょうか?日本の医薬品メーカではありませんよね?もし、日本人がどんどん不健康になり、お金も国から流出していくのだとしたらその構造は変えた方が良くないですか?
次回は、どのようにしたら健康寿命を延ばし、正しい医療ができ、ひいては国の医療費使用の異常を改善できるのか少しまとめてみたいと思います。